会社で仕事をしていて、ちょっと休憩のために席を離れたときです。
小学3,4年の頃のことをふと思い出しました。
クラスに男の子がいて、その子は父との父子家庭だったと思います。
体格も小さく、おとなしめで目立たない子でした。
身なりからも貧しさが分かるくらいで、そのせいかあまり友達はいなく寂しそうにしてる印象はありました。
僕は仲良くしている友達グループがあり普段はそのグループで遊んでました。
でも、その子ともごくごく普通に接してましたね。他の子たちはちょっと距離を取ってましたが。
その子の家に自分一人で遊びに行ったときのことを思い出したのです。
住宅地からは離れたところにポツンとその子の家は建っていました。
正直、家というよりは小屋といった方がいいのでは?というような建物で大きな台風が来たら飛ばされてしまいそうです。
まあ、自分の家も古くてそんな立派ではありませんでしたが・・・
その子の家は土間があって室内は暗く、隙間風が吹くような家でした。
今から考えると戦後の混乱期のままの建物のようなイメージですね。
二人で一緒に家の周りを走ったりして遊んだことが思い出されました。
もう30年以上前のことです。
その間一度も思い出したことがなかったので「なんでこんなこと思い出してるんだろう?」と思った時です。
「ありがとう、楽しかったよ」
突然こんな感情がわいてきました。
そして涙が出てきて止まりません。
「なんだこれは?」
ちょっと混乱しましたが、すぐにわかりました。
「これは自分の感情ではないな、この子の感情だ」
明確に他人の感情が入り込んだのは初めてだったので、ちょっと衝撃でした。
でもちょっと困ってしまいました。
そのままの顔で仕事に戻るわけにはいきません。
とりあえず30分程度少し散歩しながら自分を落ち着かせてから仕事に戻りました。
そして今までの自分の人生を振り返ってみました。
僕は他の人は怒ったりイライラするようなことでも「なんでそんなことで怒ってんの?」と思うくらい怒りとかのスイッチが入りにくい方だったんです。
でも、感情的になりやすい人と対峙すると自分もすぐかっとなってしまい、あとから自己嫌悪に陥ることが何度もありました。
特に、何が何でも相手を言い負かそうとする人に対してはどんどんヒートアップしてしまうことが。
冷静に対処すれば良かったのに、と思うことがしばしば。
あとは相手のイライラを感づいてしまい、「なんで怒ってるの?」と自分もイライラしてしまったり。
相手の感情が入り込むと自分の感情がどれかわからなくなってしまうんですよね。
いままで全然気づいてなかったけどずーっとそうだったのかもしれません。
また、そうやって他人の感情に気づいてしまうがために自分の感情を押し殺して生きてきたように思います。
「これからどうすればいいのかなぁ?」
正直な気持ちですね。
ずーっとそうやって生きてきた人間は簡単にはそのクセを変えることはできません。
でも「ひょっとするとこれは自分の感情ではないのかも?」と思えるようになったことは一歩前進かなとは思います。
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